「お客様から『AIに聞いたら、お宅の定休日は日曜だって出ましたよ』と言われたんです。うちは水曜が休みなんですが」——先日いただいたご相談です。誰かが意地悪をしたわけではありません。AIは、インターネット上にある情報をかき集めて答えているだけです。そして、その中に古いものや間違ったものが混ざっていると、そのまま答えになってしまいます。
まず、自分で聞いてみてください(5分でできます)
難しい準備は要りません。スマートフォンでもパソコンでも構いませんので、次の3か所でご自分の会社名を入れて聞いてみてください。
- Google検索 ── 会社名で検索したとき、検索結果のいちばん上に出る「AIによる概要」を読む
- ChatGPTなどの対話型AI ── 「〇〇(会社名・地域名)はどんな会社ですか」と聞いてみる
- Googleマップ ── 会社名で探して、住所・電話番号・営業時間を確かめる
そのうえで、次の6つを確かめます。紙に書き出しながらやると漏れません。
| 確かめるところ | よくある間違い |
|---|---|
| 会社名の表記 | 旧社名のまま/「株式会社」が前か後ろか違う |
| 住所 | 移転前の住所が残っている |
| 電話番号 | 使っていない番号/携帯番号だけ出る |
| 営業時間・定休日 | 変更したのに古いまま |
| 何をしている会社か | 今はやっていない業務が中心に書かれている |
| そもそも出てこない | 同じ名前の別の会社の話をされる |
ひとつでも違っていたら、直す価値があります。間違いは、放っておいても直りません。
AIは、どこから情報を持ってきているのか
ここが分かると、直す場所も分かります。AIが会社の情報を答えるとき、材料にしているのは主に次の3つです。
- その会社のホームページ ── 本人が書いているので、いちばん信用されます
- Googleビジネスプロフィール ── Google検索やマップに出る、あの会社情報の欄です
- 他人が書いたページ ── 求人サイト、まとめサイト、口コミ、業者一覧など
ここで大事なのは、この3つのうち、あなたが自分で書き換えられるのは上の2つだけだということです。3つ目は他人のものなので、原則として直せません。
そして、ホームページを持っていない会社の場合、材料が3つ目しか残りません。つまり、他人が書いた古い情報が、そのまま「あなたの会社の説明」として使われることになります。これが、いま起きていることです。
直し方① Googleビジネスプロフィールを整える(無料・その日のうちにできます)
いちばん効くのがここです。GoogleマップやGoogle検索に出る会社情報は、オーナー確認さえ済ませれば、ご自分で書き換えられます。費用はかかりません。
- Google検索かGoogleマップで自分の会社を開き、「プロフィールを編集」から直す
- 直せるのは、住所・営業時間・電話番号(3件まで)・ウェブサイト・事業の説明(全角375文字以内)・写真など
- まだオーナー確認をしていない場合は、先にその手続きが必要です(無料)
営業時間と定休日は、年末年始や臨時休業のたびに直すくせをつけておくと、お客様の空振りが減ります。
直し方② 自社のホームページに「一次情報」を置く
ここでよく聞かれるのが、「AIに読ませるための、特別な書き方があるのでは?」という質問です。
結論から申し上げると、ありません。Googleは公式の資料で、AIによる概要やAIモードに出るために「追加の要件はなく、別途特別な最適化を行う必要もない」とはっきり書いています。専用のファイルを作る必要も、特別な仕掛けを埋め込む必要もありません。
ですから、やることは昔ながらの当たり前のことに戻ります。
- 会社概要のページに、正しい情報を文字で書く(画像の中の文字はAIに読めません)
- 住所・電話番号・営業時間は、他の場所と一字一句そろえる(「1-1-20」と「1丁目1-20」が混ざっていると別の会社と見なされることがあります)
- 今やっている仕事を、自分の言葉で具体的に書く(「〇〇工事」だけでなく、どんな依頼を受けているか)
- 変わったら直す(古い情報を残さないことが、いちばん効きます)
特別なことではありません。ただ、これを置く場所そのものが無いと始まらない、というのが今の状況です。
直し方③ 他人のページは「本家」を作って上書きする
求人サイトやまとめサイトに古い情報が載っていて、それをAIが拾っている——このときは、そのページを消してもらうより、自分のところに正しい情報を置くほうが早いです。
AIも検索エンジンも、その会社自身が書いているページをいちばん信用します。本家がはっきりしていれば、他人の書いた古い情報は少しずつ後ろへ下がります。
どうしても困る内容(もう提供していないサービスの募集、まったくの誤りなど)が載っている場合は、そのサイトの運営元に連絡して削除を依頼することになります。時間はかかりますが、可能です。
私達の現場から
先日、お客様と一緒にその場でAIに会社名を入れてみたところ、10年前に閉じた事業が「主力」として説明されました。ご本人がいちばん驚いておられました。今の看板商品は、まったく別のものだったからです。
これは、その会社が悪いのではありません。新しい情報を置く場所が、インターネット上に無かっただけです。10年前に誰かが書いたページが、いまだに唯一の情報源として残っていた、ということです。
私達は、まずGoogleビジネスプロフィールを整えるところからお手伝いしています。これは費用がかからず、その日のうちに効果が出ます。そのうえで「やはり自分の言葉で説明できる場所が要る」となったときに、ホームページのご相談をいただければ十分です。
「AIに聞いたら、うちのことがこう出てくるのだけれど」という段階のご相談で構いません。一緒に画面を見ながら確かめるところから始めましょう。