「うちのホームページ、10年前に作ってもらったきりなんですが、そのままで大丈夫ですか?」——よくいただくご相談です。これまでは「見た目が古いくらいで、実害はありません」とお答えしていました。2026年10月から、その答えが変わります。Google Chromeが、安全でないサイトを開く前に警告を出すようになるためです。
何が変わるのか
Googleは2025年10月28日に公式ブログで、Chromeの動作を変えることを発表しました。内容はこうです。
- 2026年4月(Chrome 147)── 「保護強化機能」を使っている人から先に適用が始まります
- 2026年10月(Chrome 154)── すべての人が対象になります
対象になると、Chromeはまず安全な接続(https)で開こうとします。そして、httpsに対応していないサイトを開こうとしたときは、ページを表示する前に「このサイトは安全ではありません」という確認を出します。見る人は、そこで「それでも進む」を押すか、引き返すかを選ぶことになります。
なお、社内のネットワーク上にある機器の設定画面(Wi-Fiルーターの管理画面など)は対象外です。インターネットに公開されているサイトだけが対象になります。
自分のサイトが対象かどうかは、30秒で分かります
難しい確認は要りません。ご自分のホームページを開いて、アドレスが表示されている欄を見るだけです。
| アドレス欄の見え方 | 今の状態 | やること |
|---|---|---|
鍵マークが付いている/https:// で始まる | 対応済み | 今回の件では何もしなくて大丈夫です |
http:// のまま/「保護されていない通信」と出る | 未対応 | 2026年10月までに対応してください |
https:// で開けるが鍵マークが出ない | あと一歩 | ページの中に古いアドレスが残っています(後述) |
スマートフォンでも同じように確認できます。アドレス欄を一度タップすると、省略されていた https:// や http:// が表示されます。パソコンとスマートフォンで別々のアドレスを使っている場合があるので、両方見ておくと確実です。
直すのに、ホームページの作り直しは要りません
ここが、いちばんお伝えしたいところです。httpsにするのに、デザインや中身を作り直す必要はありません。多くの場合、次の3つで済みます。
1. サーバーの管理画面で「無料SSL」をオンにする
今のレンタルサーバーは、ほとんどが無料のSSL証明書(Let's Encryptなど)を標準で用意しています。管理画面から対象のドメインを選んで、有効にするボタンを押すだけです。追加費用はかからないことがほとんどで、反映まで数十分〜1時間ほどです。
2. http で来た人を https へ自動で送る
1だけだと、「httpsでも開けるようになった」だけです。名刺やチラシに載せた古いアドレス、検索結果に残っている古いリンクから来た人は、相変わらずhttpのページに着いてしまいます。ここを忘れると、対策した意味が半分なくなります。サーバー側で「常時SSL化」「httpsへリダイレクト」といった設定を入れてください。
3. ページの中に残っている古いアドレスを直す
ページ本体はhttpsなのに、中で読み込んでいる画像やデザインのファイルがhttpのままだと、鍵マークが出ません(混在コンテンツと呼ばれます)。ページ内のリンクや画像のアドレスを https:// に直すか、/images/… のような書き方に変えます。
この3つがそろって、はじめて「対応済み」です。ご自分で触られる場合は、作業の前に必ずファイル一式のバックアップを取ってください。
放っておくと、どうなるか
脅かすつもりはありませんので、事実だけをお伝えします。
- 初めての方ほど引き返します。すでに取引のある方は「進む」を押してくれますが、これから問い合わせようとしていた方は、そこで別の会社を探します
- 問い合わせフォームの入力内容が暗号化されません。お客様の氏名・電話番号・相談内容が、そのままの形で流れます
- 警告が出るサイトは少数派になります。Googleは、警告を目にする回数は「多くの人で週1回未満」と見込んでいると説明しています。裏を返せば、警告が出るサイトはそれだけ目立つということです
これからホームページを作る方へ
今回の話は、これから作る方には関係ありません。まともな制作会社やサービスであれば、httpsは最初から当たり前に入っています。ご自分で気にする必要はないので、安心してください。
むしろ気にしていただきたいのは、ドメインとサーバーの契約更新です。更新を忘れると、警告どころかホームページそのものが表示されなくなります。メールアドレスが会社のドメインの場合、メールも一緒に止まります。更新の案内メールが届く先を、退職した方のアドレスにしたままになっていないか、この機会にご確認ください。
私達の現場から
私達の現場でいちばん多いのは、「作ってもらった会社と連絡が取れない」というご相談です。ホームページは残っているのに、直す手立てが分からない、という状態です。
この場合でも、ドメインを管理している会社とサーバーの契約先さえ分かれば、ほとんどは手を入れられます。手がかりは、毎年届く更新の請求書や、クレジットカードの明細に残っていることが多いので、まず探してみてください。
「探してみたけれど分からない」「確認だけお願いしたい」というご相談も承っています。調べてみたら対応済みだった、という結果でも構いません。ご自分のサイトが今どうなっているか、この機会に一度はっきりさせておかれることをおすすめします。